代表あいさつ (会代表:出口 陽正)
仮説実験授業に関心を持っていただき,ありがとうございます。
仮説実験授業は,「科学上のもっとも基本的な諸概念ともっとも原理的な法則」を教えるための教材の組織法・授業運営法として,1963年に板倉聖宣(1930~2018)によって提唱された授業理論です。
そして,私たち仮説実験授業研究会は何をする研究会なのかというと,会則の「1.目的・名称」の項には,「本会は,科学的な・だれでもが信用して利用できるような(検証可能な)科学の教育・授業に関する法則の発見・確認を目的とし」とあります。私たちは〈授業には,各クラスの教師と生徒の個性を越えた法則性があって,個々の教師の作成した思いつき的な教材で授業するよりも,他のクラスで成功した授業プランで授業したほうが成功するのが普通である〉という授業科学の考え方に基づき,誰もが信用して利用できる〈授業書〉を開発したり,普及させたりする研究や活動をしています。
しかし,〈授業科学〉の考え方も〈授業書概念〉も,教育現場には今も浸透していません。仮説実験授業が提唱されて60年以上を過ぎるというのに,いまだに「教案は教師一人ひとりが自分で作らなければならない」「問題は日常生活の中から生徒自らが見つけだすものだ」という〈こうあるべき理想論〉が語られているだけで,授業の科学的な実験的研究はなされていないのです。
私たちの研究会では,この60年以上の間に自然科学,社会の科学,算数・数学,模倣美術など多くの授業書が作成され,国語・道徳・体育・ものづくりなどいろんな分野に研究領域を拡大してきました。そして,それらの授業書や授業プランは全国の多くの教師が授業にかけて,その成果を確かめてきたものばかりです。ぜひその成果をあなたにも確かめていただきたく思います。
私は,板倉が確固たる礎を築いてくれた授業科学の思想と方法,授業書という財産を未来の子どもたちや研究者へと引き継いでいきたいと思います。授業科学の思想にほど遠い教育現場を見れば,授業科学建設・普及の仕事は気の遠くなるような仕事かもしれませんが,同時にそれは夢のあるやりがいのある仕事です。
この準公式サイトには,仮説実験授業の考え方や実際にどのような授業書があるかも紹介されています。それをご覧いただき関心のある方は,ぜひ私たちとともに研究してくださるようお願いします。(2026.7.26)
※板倉聖宣 初代代表の「ことば」は,こちらをご覧ください。
竹内三郎 前代表代行の「あいさつ」は,こちらをご覧ください。
小原茂巳 前代表の「あいさつ」は,こちらをご覧ください。
