〈たのしい授業〉のススメ
子どもたち一人ひとりには「人間として学ぶに値することを,主体的にたのしく学ぶ権利」があります。子どもたちが学校で大部分の時間を過ごす「授業」。その時間が人間として学ぶよろこびを伴わない,たのしくない時間だったとしたら,それはとても不幸なことです。
ですから,どの学校・学級の子どもたちにも,学ぶに値する内容をたのしく学べる「たのしい授業」を体験させてあげることが,とても重要だと私たちは考えているのです。
しかも,そうした「たのしい授業」が,わたしたち教師にとってたのしいものであること,やろうと思えば意欲のある人なら誰でも実現可能なものであることを,わたしたちはめざしています。いくら子どもたちにとってたのしい授業であっても,そのために,教師が人並み外れた努力や準備をしなければならないのであれば,そのような実践は誰もまねをしません。教育の「研究」としてはほとんど役に立ちません。だからわたしたちは,誰もがまねできるような授業内容と方法とを具体的な「授業プラン」として積み上げ,みんなの研究財産・共有財産にしているのです。
教育の現場で,子どもたちにとっても,教師にとっても「たのしい授業」をめざす――それがわたしたちの研究運動なのです。
山本俊樹・藤沢千之(仮説実験授業研究会)